成年後見 - 相談事例

CASE1 相続放棄

Aさんは5年程前から物忘れがひどくなり,ついには家族の判別がつかなくなりました。その症状は重くなる一方で回復の見込みはなく,2年前からグループホームに入所しています。そうしていたところ,本人の弟が突然事故死し,本人が弟の財産を相続することになりました。弟には莫大な借金があるので何とかしたいとして、Aさんの妻Bさんが相談にお越しになりました。

Aさんは判断力を欠いた状態にあり、自身で複雑な手続きをすることができないため、まずは、家庭裁判所に後見開始の申し立てをして、後見人を選任してもらいました。その後、後見人は相続放棄の手続きをして、弟から借金を承継しないで済みました。

CASE2 遺産分割

父親を亡くされたCさんは、父親名義の不動産を相続したいと思っています。Cさんは、弟Dさんがいますが、Dさんは認知症がひどくなって特別養護老人ホームに入所しています。このようなときどうしたらいいかわからず相談にお越しになりました。

判断能力を欠いた状態にある人は遺産分割協議に参加できず、代わりとなる後見員を選任してもらう必要がありますが、後見人が遺産分割協議をするにあたっては、原則として、法定相続分を取得できるようにする必要があります。幸いに、他にも遺産があったため、予め遺産分割協議案をまとめ、後見開始申し立ての時にその協議書案も併せて提出しました。その後、裁判所が選任したDさんの後見人との間で、協議書案どおりの遺産分割協議を成立させ、無事に、不動産の名義を変更することができました。

CASE3 親なきあと

Eさんの子Fさんは、知的障害をお持ちでした。Eさんは、元気なうちは、Fさんをなんとか支えて頑張りたいと思っていますが、もう高齢になってきたことから、Eさんが頑張れなくなったときや、親なき後、お子さんの為に財産管理をどうしたらいいのか悩んでいます。

親なき後のどのようにすればいいのか、法定後見制度、任意後見制度、民事信託制度などの検討を行ったところ、Fさんは、判断能力を欠いた状態にあり、Eさんもかなり高齢であったことから、すぐに家庭裁判所に対して後見開始申し立てを行い、後見人としてEさんを選任してもらいました。これで、今後、Eさんの体調が悪くなり後見人として活動できなくなったとしても、裁判所で別の後見人を選んでもらうことができるのでEさんは安心しました。

CASE4 不動産の売却

Gさんの父Hさんは、認知症のため1年前からサービス付き高齢者向け住宅に入所しています。しかし、年金よりも、施設料など生活や介護のための支出のほうが多いので、徐々に現金や預貯金が乏しくなってきました。Hさんは、自宅の土地・建物を持っていますが、誰もすまなくなっっており、Hさんが戻る見込みはないし、外にも使い道がなく、今後の管理が困るため売却したいと思い相談にお越しになりました。

まずは、病院で診断を受けていただくことになりました。その結果Hさんは後見相当との診断を受けたので、家庭裁判所に後見開始の申し立てをしてGさんを後見人を選任してもらいました。そうしていたところ、偶然買いたいと言う方も現れたので、GさんはHさんの後見人として不動産を売却し、Hさんの当面の生活資金を確保することができました。

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